土曜日, 12月 31, 2005

成功者


紹介したいアーティストがいるんです。いや、その人の音楽を聞いてくれってわけじゃないんだけど。
それはですな、「FORT MINOR」っていうまぁ、ラップグループ?なんですけどね。
LINKIN PARKっていう(まぁジャンル分けでいくとミクスチャーかな?)バンドのラッパー兼プログラムとかやってる人で「マイク シノダ」って人のソロアルバムです。簡単に言うと。

まず、LINKIN PARKについての説明からだと思うのですが、全世界で3500万枚くらいアルバムセールスいってるいわゆるモンスターバンドなんだけど、一年ほど前に企画モノでJAY-Z(現在DEF-JAM の社長です。元ディスティニーズチャイルドのビヨンセの彼氏です。)というラッパーとのコラボレーションアルバム「コリジョン・コース」ってアルバムを出してます。お互いの曲を一つの曲につなげて演奏するっていうコンセプトアルバムなんですが、そのアルバムについての説明は聞いてもらうしかないので省略します。

それで、その説明も簡単に終えてと。本題のFORT MINORについてですが、アルバムセールス(セールスだけが大切ではないのは判っておりますが今回言いたいことに重要につながりますので何卒ご勘弁)もビルボード初登場4位ということなのでまぁ、なかなかといったとこでしょう。

アルバムの内容は通常のヒップホップというかラップアルバムで、個人的には非常に気に入って聴いております。

「マイク・シノダ」という方、一言で言ってしまえば「音楽オタク」ですね。メテオラというアルバムのアルバムメイキングを観ていたときに自宅にある機材の数が異常でした。そして、アルバムづくりにクレバーさを感じる人です。バランスというか全体的なものを考えて作っているような。激しい曲があれば、バラード調というか切ないメロの曲もあったりと。逆に言ってしまえば落ち着いちゃってるのかもしれないのですが、個人的にはその全体のまとまりを考えての曲作り的なものは好きです。

今回のFORT MINORのアルバムについてなんで語りたくなったかというとですね、ラップ界というかヒップホップ業界というのが非常に閉鎖的な雰囲気を感じていた今日この頃、日系三世のアメリカ人がラップアルバムをリリースし成功したということです。

みなさん多分ご存知のとおりラップ、ヒップホップてのでビルボード他の洋楽チャートで上位を賑わすのは黒人かエミネムです。別にこれが悪いことだとは少しも思っていませんが、この事に関して、マイクシノダが考えていたことについてあくまで想像で語らせていただきたく。

ラップという業界について語るほどラップに詳しくないので、多分に間違いがあると思いますが、何卒ご了承のほど。

ここ最近というか昔からチャートを賑わすのは強力なパワーを持つレーベルに所属するアーティストもしくは爆発的にヒットを生み出したアーティストに見出されたもの。そして次に売れるのは、そのとりまき達。例えばDR.DREがエミネムを見出し成功を掴んだ。次にDR.DREのとりまきで売れているのが50CENT属するG-UNIT。これが売れればその中の50CENTがGAMEというラッパーを見つけてきて、そいつが売れると、もうG-UNITというだけでセールスが決まってしまう。それとか、ニューヨーク対ロスというか東海岸と西海岸のラップ対決とか。
2PACやNOTRIOUS BIGが殺されたので、結構有名だが、ギャングとつながりというかギャング出身のラッパーでないと成功しないとかあったりとかいろいろ属していないとラップは売れないのか。と思ってしまう。

ここでマイクシノダがクレバーだと僕は言いたいのは、この状況を理解して行動していった事である。
シノダが今回成功した要因として挙げられるのはリンキンパークでの成功はもちろんのこと、前作コリジョン・コースでコラボレイトしたJAY-Zの力を借りた事。これがかなり大きいと言えるのではないかなと。

前作で、JAY-Zと一緒にやることによって、リンキンパークを聴かない人達の耳に自分の音を届けてから、自分のソロのラップアルバムをリリースする。
また、JAY-ZはDEF-JAMの社長を務めるくらいビッグな人間。その人のアドバイスやコネクションも利用しつつ、活動を行っていけばラップ業界の流れも吸収出来る。という計算をしたかどうかは定かではありませんが、なにも流れのない中で、自分の最初の成功を上手く使えたマイクシノダはすごいなと思った。この後、自分のレーベルからおそらく日系であろうラップグループ「STYLE OF BEYOND」のアルバムをリリースする予定です。そして自分のアルバムにも参加させてます。

自分の成功を足がかりに、日系ラッパー達というか自分の知っている流れのやつらをどんどんリリースさせていこうとしています。リンキンパークというバンドの成功から、一つの流れを生み出そうとしている男「マイク シノダ」。単純に日系であるだけで応援したくなっているのですが、この人はアメリカで成功している日本人の一人と言いたい。

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